今さら人質の話

口には出さなかったにせよ、大方の予想通り、やっぱり不幸な結果に終わってしまったイラクの人質事件。

好奇心のままワニのいる川で泳いだと言う評に、うんうんと納得する自分がいるわけで。

そういえば、1997年にこんな事件が起きてたことを思い出しました。

1997年10月17日、南米ペルー領内のアマゾン川をいかだ下りの冒険旅行をしていた早稲田大学探検部の学生2人が、ペルー陸軍兵士16名に襲われ、惨殺された。金品強奪を目的とした犯行だった。

週刊ポスト1998年2月13日号によれば、早大探検部の事件が発覚したとき、当時の橋本首相が、次のように語ったんだそうです。

「ペルーはMRTAだけでなくてほかにもテロ組織があって、当然政府軍との間でぴりぴりしている。十分事前に準備ができていたのか。冒険好きな僕からしても疑問に思う」

自己責任ってことなんですよね。当時は、その発言に反発する声が強かったのか、首相を糾弾する意見広告が掲載されたりしたようです。

当時でも、事件に巻き込まれたのは、自己責任だと指摘する声は、あったみたい(*1)(*2)ですが、今ほどではなかったと記憶しています。(ペルーの大使館人質事件とか酒鬼薔薇事件とか、いろいろあったけど、まだまだ、牧歌的な時代だったと…(ホンマか?))
同じ事件が今起きてたら、早稲田のバカ学生呼ばわりされたかも知れないと思うと、世の中、変わったなあと、つくづく思うしだいであります。どっとはらい

(*1)大石英司さんの1998年のエッセイ

冒険の自己責任原則は無限に発生する。国家が救いの手を差し伸べてくれるなどと考えるのは大甘であって、その程度の覚悟しかない連中に冒険などして欲しくない。早稲田の諸君、いざという時にこの程度の発言でお上に文句を言うので有れば、遠征は富士の樹海程度に留めておきなさい。

(*2)1998年1月発行の地域研究組織GEOのニューズレター

個人的には、彼ら(早大探検部の学生)に同情する気は全然ない.むしろ、探検であるならば、自己責任であるし、たとえ道半ばで終わっても仕方がない.むしろ問題にしたいのは、この事件でまたペルーのイメージが損なわれたことである.

ココログからのインポート 2008-11-16)