書評:アマチュアはイラクに入るな プロのNGOが紛争地でやっていること

「アマチュアはイラクに入るな プロのNGOが紛争地でやっていること」吉田鈴香/著 亜紀書房 2004年8月

たぶん、この本に肯定的な評価を与えることで、何らかの偏見を持たれる危険は承知の上で。

ファーストインプレッションは、ココに書いたとおり。

補足するところを取りとめなく。

・ゲリラとテロリストの違い。
政治的主張がビジョンを孕んでいるか」「国家の概念を有しているか」「何を成果としているか」と言うところに、差異があるのではないかと言うこと。ただ、その境界が曖昧なことを理由にして、しばしば国家側が「テロリスト」のレッテルを貼ることが多いと言うことも指摘されてます。(ex.バスク紛争、チェチェン紛争

・「グッドガバナンス」と「ジェンダーフリーの組閣」
この精神は、紛争地やポストコンフリクト国だけでなく、日本にも必要な観点なような気がします。

・戦争の民営化
この辺りは著者にも迷いがあるように思えます。プライベート・ミリタリー・カンパニーによる戦争の民営化によって、戦争を抑止しようとするココロの壁が低下することを危惧していますが、プライベート・セキュリティ・カンパニーに警備とかりロジスティックを頼りはじめてる現実があるようです。
自衛隊出身者も含めた軍事NGOが果たして、それを解決する解になるんでしょうか?

ココログからのインポート 2008-11-16)